[00:00.000] 作词 : 少女病
[00:01.000] 作曲 : ピクセルビー
[00:19.810]ミーアは心臓の病気で 先が長くはないと告げられて
[00:27.350]両親からはあきらめられてか放任されていた
[00:34.770]お医者様は言う。
[00:36.990]「人は痛みに鈍感になるほどに他者が持つ痛みにも気付けなくなる。
[00:46.250]痛みを感じなくなったら——
[00:50.980]優しさも失くしてしまう。
[00:54.610]だからね、痛みと、弱さと正面から向き合い優しい人になりなさい」
[01:03.420]難しい言葉だったけれど
[01:07.300]今ならわかる気がするんだ 少しずつほんの少しずつ
[01:14.140]成長できているのかな?
[01:17.360]まだ私、生きていられるのかなぁ?
[01:29.770]冷たい雨の日に ミーアが拾ったのは 捨てられた
[01:37.310]お医者様に診てもらうと この子も心臓が悪く
[01:44.850]その上脚も正常ではなく 走ることができない
[01:52.120]「だからきっと、捨てられていたのかも」 と言い辛そうに肩を落として
[02:01.140]ミーアは歌うことが好き 決して上手いとは言えずに両親には
[02:08.590]煙たがられてしまうけれども
[02:13.510]「大きな劇場に立って歌うのが夢」だと笑った
[02:21.000]誰も聞いてはくれないけれど
[02:24.360]子犬【ami】だけはいつでも隣寄り添って
[02:29.520]その歌を聞いてくれた
[02:33.390]『同じ弱さを持っているからこそ、同じ優しさを与え合える友達になれた
[02:39.010]共に走ることはできないけれど、一緒に歌うことならできた。
[02:43.480]不意に流れる涙は、舐めて拭ってくれた』
[02:47.480]ある日ミーアは 急な発作で意識を失くしてしまう
[02:54.900]周囲に人の姿はなく 助けも求められないままに
[03:02.490]決して走れるはずのない
[03:06.190]子犬【ami】はお医者様の元へ駆けていった
[03:09.900]夢中で足を襲う痛みなど 存在しないかのように
[03:18.680]一命をとりとめたミーア 目を覚ましてベッドの横に
[03:25.890]いたのはお医者様と 目を赤くした両親だけ
[03:33.240]「——あの子【ami】はどこ?」
[03:36.780]「ねぇ、あの子はどこにいるの?病室には入れないの?」
[03:41.520]『お医者様は目を伏せて教えてくれた。
[03:44.670]あの子は助けを呼んだ後で、
[03:46.960]心臓の病気のせいで死んでしまったのだと。
[03:50.610]足が折れても走って、走って。
[03:53.930]それでもあなたのことを助けたのだと』
[03:57.980]『少女は泣かなかった。
[03:59.960]けれど、この痛みから逃げるわけではない。
[04:03.640]泣かずに受け入れながら、感じながら。
[04:06.730]その上で精一杯生きようと誓った』
[04:10.490]「ごめんなさい、ミーア。 “
[04:12.830]愛しすぎて 貴方を失う時のことを考えて、
[04:16.550]臆病になりすぎていたの。
[04:18.640]これからはずっと傍にいましょう。——いて、くれる?」
[04:24.290]『崩れ落ちて謝る両親に少女はただ微笑んで、
[04:28.520]子犬と一緒に練習した歌を披露してみせた。
[04:32.010]それはきっと、世界で一番優しい歌で——』